ホーム > 起請文・古文書 > 起請文の基本的な内容

起請文の基本的な内容

残されている起請文八十三通のうち六十八通が六か条から成り、本文の内容は大体似通っています。その内容は、概ね次のとおりです。

謹んで起請文を申し上げます。

一、これ以前にささたてまつった数通の誓詞せいし(起請文)について、これからも相背あいそむくことはいたしません。

一、信玄様に対し奉り、逆心ぎゃくしんをもち、また謀叛むほん などをくわだてることは致しません。

一、長尾輝虎てるとら(謙信)をはじめ 敵方てきかたより、どんな所得(利益)をもってさそわれても、敵方には、同心どうしん致しません。

一、甲州・信州・西上州三か国の諸卒しょそつ逆心ぎゃくしんくわだてても、私は一心に信玄様をお守り申し上げて、忠節ちゅうせつつくします。

一、この度は、特に人数を動員して、表裏ひょうりなく、余計よけいなことは考えずに戦功せんこうはげ む 決心です。

一、家中かちゅうの者が、甲州の信玄様のために悪いようなことや、臆病おくびょう な意見を申しても、一切いっさい、同意するようなことは致しません。

上梵天かみハぼんてん帝尺たいしゃく ・四天王・・・・」と書いて前段の誓約事項に偽りがあれば、天罰として、現世では病に取り憑かれ来世においては地獄に落ちることになると、ありとあらゆる神に誓っているものです。この部分を「神文」といいます。神文に書かれた神については、武将によって内容が異なっています。

続けて起請文提出の年月日と、起請文提出者の署名しょめいの下に「花押かおう」(書き判)を書かれ、さらに「血判けっぱん」がされているものが数多くあります。血判とは、自らの指に傷を入れそこから流れ出る血を自らの署名の場所に押し付けることでこれを押すということは、相当の覚悟を決め、書かれた内容に相違ないということを誓う絶対的な意味があります。起請文の中には血判を押してすぐに折りたたんで提出したせいか、反対側ににじんでいるものもあります。

前のページへもどるページの上へ次のページへすすむ
参考資料:信濃史料、信玄武将の起請文、上田市誌「歴史編・文化財編」から引用しています。