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鳥羽山洞窟遺跡

種別 :国指定 史跡(社寺・城館跡 廟所・墓地 産業史跡)
指定日:昭和53・1・27
所在地:腰越字鳥羽山429
年代 :古墳時代中期

解説

依田川の名勝「飛魚〔とびうお〕付近、腰越〔こしごえ〕地区鳥羽山の岩肌にぽっかり口をあけている洞窟です。川底から15mの高さにあり、幅25m、奥行約15mの大きさです。

発掘調査の結果、この洞窟は古墳時代中期(5世紀中頃)に古墳を築かなかった人々の葬所〔そうじょ〕として使われていたことが明らかになりました。

洞窟内は依田川の河原石が四段に敷かれ、石敷をした平らな部分に死体が置かれていました。


この死体を埋めない葬法は曝葬〔ばくそう〕と呼ばれ、沖縄や東南アジアにかけて、よく似た葬法(崖葬〔がいそう〕)が行われていますが、大変めずらしいものです。また、洞窟内からは多くの人骨や副葬品が発見され、研究上非常に貴重なものとされています。

出土した須恵器〔すえき〕の二重はそう(横に小さい穴のある壷)・カップ形土器をはじめ、石釧〔いしくしろ〕(石の腕輪〔うでわ〕)・銅釧〔どうくしろ〕、鉄剣〔てっけん〕や鹿角装刀子〔ろっかくそうとうす〕(鹿角の柄〔え〕のついた小刀)・鉄製馬具〔ばぐ〕などの出土遺物は現在、丸子町郷土博物館に常時展示されております。