丸子町西内保育園脇〔わき〕の山道を約1kmほど登った東側、通称朝日山の北斜面にあります。大正9年に指定された当初は、樹高5m以上の古木が群生していたと伝えられていますがその後「クリタマバチ」の被害にあうなどして次第に枯〔か〕れ、現在では幼木〔ようぼく〕10本が残されています。
この木の形は、幹も枝もジグザグにまがり、葉がつくと枝が下がるところから、シダレグリの名称が生まれました。長野県下の、南は下伊那〔いな〕郡大鹿〔おおしか〕村・東は南佐久〔さく〕郡南牧〔みなみまき〕村・西は木曽郡楢川〔ならかわ〕村・北は小県〔ちいさがた〕郡丸子町西内に囲まれる地域内にひろく見られますが、分布密度が最も高く、数百年を経た古木がたくさんある、上伊那郡辰野町小野(天然記念物)付近の山地が中心地であろうと推定されています。
シダレグリは※フォッサマグナ地域に限って自生する植物の一つで、なんらかの原因で突然に枝が垂〔た〕れ下がる姿に変ったものだろうといわれ、学問的に重要な研究資料として保護する必要があるとされています。
※中部地方で本州を横断する地質上の地帯