このカツラは、先代の親木から萌芽したものとの荻原家の家伝はあるが、その他の伝承は不明である。根元には文化2年(1805)建立の勢至菩薩の石造碑があり、信仰地に生育したカツラである。
我が国の樹木としてカツラは珍しい種類ではないが、真田町では最大で、上田小県地方としても屈指の大木である。
目通り周囲約190cm、樹高約23m、枝張り約10mに及ぶ雄株(カツラは雄、雌で株の違う雌雄異株である)の大樹で、主幹はほとんど1本で立ち、樹冠部で分枝している。樹形は美しく樹勢も良好であるが、樹齢は不詳。
カツラ(桂)は、本来位が高く、天に向かう姿が美しく、縁起のよい木とされ、仏像彫刻にも用いられる。