縄文時代から古墳時代に使われていたとされる鳥羽山洞窟。この遺跡は1968(昭和43)年から3年間をかけて発掘調査を行いましたが、そこから200点を超える出土品が発見されています。須恵器の二重はそうやカップ型土器をはじめ、琴柱形(ことじがた)石製品・石釧(いしくしろ)・鹿角装刀子(ろっかくそうとうす)など多種多様で、当時、葬られた人びとはかなり有力な豪族であったことがうかがわれます。
出土品はおおよそ、土師器、須恵器、鉄器、鹿角製品、石製品、その他に分けることができます。土師器は特に量が多く高坏(たかつき)、壺、坩(かん)、椀などが見られます。須恵器は、数こそ少ないものの、上述の二重はそうや取手椀、甕など貴重な品が見られ、いずれも5世紀以前のものと考えられます。鉄器には剣、鏃(やじり)、刀子、轡(くつわ)などの武具類と、鎌、斧、たがね、鉋(やりがんな)、きさげなどの工具類があります。いずれも薄手の良質なもので、長いものは70センチメートルを超えるものもあります。鹿角製品には、鏃の下につけて音を出す鳴鏑(なりかぶら)や糸を紡ぐための紡錘車があり、刀子や剣の柄にも用いられています。石製品では砥石もあるものの、石釧・琴柱形・玉類などの儀礼具が多くみられます。そのほかにはガラス小玉や銅釧などがあります。
現在、出土品の一部は、丸子郷土博物館に展示され見ることができます。
出土品内訳
土器
:
101点
鉄製品
:
45点
骨角器
:
4点
石製品
:
3点
石器
:
3点
銅製品
:
1点
玉類
:
90点
合計
:
247点