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柳沢安曽甚太夫 石造五輪塔[2基]

種別 :市指定 石造物
指定日:昭和59.4.9
所在地:古安曽3552-1
年代 :

解説

柳沢(東塩田)の西端、手洗池〔てあらいいけ〕の脇から安曽岡〔あそおか〕山へ通ずる幅2mほどの農道を約500m上って行くと、ゆるやかな傾斜地がひろがっています。その桑畑の一角に素朴で均整〔きんせい〕のとれた大小二つの五輪塔が肩を寄せあうように、ひっそりと建っています。

もともと人里離れているところにあるせいか、訪れる人も少なく案外この五輪塔は知られていません。

この二つの五輪塔の総高は、大きい方が102cm、小さい方は76cmで、地輪や水輪など各部の作り方はだいたい同じで小さい方は、大きい方のおおむね4分の3程度の寸法で造られています。

地輪の背は低く古い様式を示し、水輪は正円球形の上下を水平に切り安定感を保っていますが、仏を表わす梵字〔ぼんじ〕などは見当たりません。火輪の隅棟の流れもほぼ直線で、先端でゆるやかに反〔そ〕り、軒は中央部から両端に向かってやや厚みを増し、しかも垂直に切り落とされているなど重々しい感じがします。

風輪と空輪は一石で作られていますが、半円形の風輪、団子〔だんご〕形の空輪の曲線は円〔まろ〕やかでよく整った姿をしています。

地元の人たちはこの五輪塔を塩田北條氏の家臣〔かしん〕「安曽甚太夫〔あそじんだゆう〕」らのお墓だと言っていますが、これを裏付ける資料は今のところありません。