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王子塚古墳(塩田新町)

種別 :市指定 史跡(古墳)
指定日:昭和46.4.8
所在地:新町9
年代 :5世紀中期頃〜6世紀前半

解説


王子塚古墳全景(西側より撮影)

この古墳は上からみた平面の形が帆立貝〔ほたてがい〕に似ているため「帆立貝式古墳」と呼ばれています。東信地方ではただ一つの帆立貝式古墳であり、たいへん重要な古墳です。

古墳は塩田地区の南西部の新町にあり、氷上王子神社の境内に位置しています。この古墳の北側は一面に水田地帯が広がっています。


古墳の前方部

古墳の大きさは、全長が50.8m、前方部の長さが約20m、後円部の直径が約39mあります。この大きさは全国各地の帆立貝式古墳の中では中規模〔ちゅうきぼ〕のものであり、この上田地方を治めた首長〔しゅちょう〕の墓と考えられます。

古墳の現在の様子は、墳丘〔ふんきゅう〕(盛土をして築いた丘)が氷上王子神社の建物などにより削〔けず〕り取られ、形が大きく変化しています。しかし北側の後円部は、当時の形がよく残されています。この墳丘の大きさや形から5世紀中頃から6世紀前半にかけて築かれた古墳と推定されています。


古墳の後円部

この古墳の内部は、発掘調査が行われていないため、どういう構造か不明です。また現在までのところ土器などの遺物も発見されておらず、謎〔なぞ〕につつまれた興味深い古墳です。