新屋古墳第1号墳
神科地区の新屋集落内の北東部には、11基の古墳時代後期に属す円墳が発見されていますが、これらの古墳は、その場所や造り方の違いなどから、二つのグループに分類しています。第一号 ― 四号墳を「新屋古墳群」と呼び、第五号 ― 十一号墳を「矢花〔やばな〕の七つ塚古墳群」と呼ぶようにしたのです。
このうち新屋古墳群の四基は、新屋集落の北側の虚空蔵〔こくぞう〕山南麓〔なんろく〕にありますが、第一号墳のほかは石室がわずかに確認されるだけという状況になってしまいました。
第一号墳はこのなかで保存状態が比較的良い円墳で、南北径約12m、東西径約13m、高さ約3mあり、内部は両袖形〔りょうそでがた〕の横穴式石室をもつものです。
新屋古墳第1号墳石室実測図
(『上田小県誌』考古篇より)
石室内部の奥壁〔おくへき〕と側壁〔そくへき〕の基礎部には大きな自然石の平石を立て、その上部を平石の小口積としており、側壁は上にいくにしたがってせり出していく「持ち送り」という造り方をしています。
新屋古墳群は、古墳時代の終わり(今からおよそ1300年前)に造られた、この地方の勢力者の一族のお墓ですが、どのような人物であるか具体的な名前はわかっていません。