タタラ塚古墳 石室部分
タタラ塚古墳は、諏訪形の金窓寺〔きんそうじ〕から須川へ向かう道路の途中〔とちゅう〕にある上田悠生寮〔うえだゆうせいりょう〕の敷地内〔しきちない〕にあって、標高は約540mあります。古墳の墳丘〔ふんきゅう〕の土はかなり流れ出しており、石室の部分だけに土が残っています。
古墳の大きさは、南北の直径が約9m、東西の直径が約7m、北側の高さは約2.2mです。玄室〔げんしつ〕の長さは約4.1m、天井部〔てんじょうぶ〕の奥壁〔おくへき〕の幅は約1.1m、現状の高さは約1.0mあります。石室の入口部分は破壊〔はかい〕され、土砂〔どしゃ〕が積もった状態です。
この古墳はすでに盗掘〔とうくつ〕され、内部から出土した資料は不明です。墳丘〔ふんきゅう〕の形は円形をした円墳〔えんぷん〕で、横穴式石室をもっています。古墳の形や大きさから古墳時代後期に築かれた古墳と推定されます。
なお、古墳の名前のタタラは、足で踏んで空気を送る大きなフイゴをさします。これを用いて鉄の製錬〔せいれん〕や鍛冶〔かじ〕を行ったことから製鉄に関連した名前と考えられています。ただしこの古墳とタタラとの関係は、はっきりしていません。いずれにしてもこの地域の有力な豪族の墓と考えられ、重要な古墳とされています。