大六のケヤキ
樹齢・推定約800年 樹高
約30m
目通り幹囲11.7m
生島足島〔いくしまたるしま〕神社を通りすぎ、大字古安曽の石神〔いしがみ〕地域に入ると左前方に空を突くような大きなケヤキが目にとまります。
このケヤキは以前、長野県の天然記念物に指定されたこともあり、長野県では下伊那郡根羽村の月瀬の大スギに次いで二番目に大きな木です。
ケヤキとしては県下第一位でありますが、幹の太さや高さ、空洞のない若々しい幹、東西南北へ平均して広がるつり合いのとれた枝張りと、800年近く経〔た〕っても衰えない盛んな生育状態からみて、国で指定したほかの天然記念物のケヤキと比べてみても劣ることはありません。
大六というこの地に、このような巨木が生存しているのは、尾根川が運んできた肥えた土地だからでしょう。
このケヤキはあまりにも大きく立派なので何時しか地頭木〔じとうぎ〕とか地頭木〔じとうぼく〕と呼ぶようになり、根元に大六天を祀〔まつ〕り、親しみと尊敬の気持ちで大事にしてきました。
ケヤキの周りに並ぶ保育園児
「遠くに見える大きなケヤキをみて『先生、あの木を探険しに行こうね』と子供たちがせがむので、年に二回か三回は訪れる」と東塩田保育園の先生が言っていました。
子供たちは、両手を広げ幹の太さを測ったり、幹をたたいて強さや丈夫さを感じたり、耳をあてケヤキの叫び声を聞いているそうです。
永い歴史を持つケヤキは、私たちになにを語りたくているのでしょうか。