塩尻小学校の木
昔、名前のわからない珍しい大木が太郎山の西方に連なる虚空蔵山〔こくぞうさん〕(標高約1000m)の頂上付近にありました。この地方では「ナンジャモンジャの木」と呼んで親しまれていました。7月の初め頃にマメやフジの花に似たきれいな花が咲き乱れます(写真参照)。
この植物は故小泉源一先生(京都大学教授)によって「マメ科のフジキ」であることがわかりました(大正13年)。
今でも、この「フジキ」を「ナンジャモンジャの木」と昔の呼び名で呼んでいます。この植物は暖い地方に分布している、「南方系の植物」であって、上田市の1000mの山頂に育つことは大変珍しいことであります。
ナンジャモンジャの木の花
(平成9.7.6撮影)
大きく育った古木は台風によって倒れましたが、現在はその側枝が伸び育って再び見事な大木になりました。
また塩尻小学校にある「ナンジャモンジャの木」は虚空蔵山の親木の種子から育ったもので二代目にあたります。今まで花が咲いたことが無いと地元の人が言っていましたが平成10年7月に花が咲きました。
「ナンジャモンジャの木」という「フジキ」は「ヤマエンジュ」ともいい、長野県の南部に多い植物ですが、大木で育ったものにはこの木の他には南安曇郡島々に一本あるのみです。
虚空蔵山頂上の木