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岩鼻(半過・下塩尻)

種別 :県天然 名勝
指定日:昭和49.1.17
所在地:小泉2675-1ほか
年代 :

解説


岩鼻の遠景(左・半過岩鼻 右遠方・下塩尻岩鼻)
— 浦野川・産川合流点より望む —
(平成7.5.8撮影)

千曲川を挟〔はさ〕んで向かい合ってそそり立つ半過岩鼻(ひん岩)と下塩尻岩鼻(緑色凝灰岩〔りょくしょくぎょうかいがん〕)の大岩壁は、千曲川に削〔けず〕られてできたもので、その景観はたいへん雄大です。



岩鼻の絶壁に咲くモイワナズナ
(平成7.4.25撮影)

半過岩鼻にえぐるように開〔あ〕いた大穴は、川の浸食力のものすごさを物語っています。この向かい合う岩鼻の景観と、そのすそを洗いながら悠々と流れ下る千曲川の広大な景観とがうまく調和して、ここは大正10年に日本百景の一つに選ばれました。半過岩鼻山頂の千曲公園は、その入選記念につくられました。

このすばらしい景観に併〔あわ〕せて、岩鼻一帯にはここ特有の珍しい動植物の生態や分布が見られることから、長野県では岩鼻一帯の約13ha(うち約2haは地続きの坂城町分)を県天然記念物に指定し、その保護に努めています。

ここは、野鳥チョウゲンボウの集団繁殖崖〔がけ〕として有名でしたが、最近は飛んでいることも少なくなり、気がかりです。

また、サハリンや北海道に自生するモイワナズナが、本州ではここだけにとび離れて分布していることや、数々の寒地系植物が自生することでも有名な場所となっています。