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旧常田幼稚園園舎

種別 :国登録有形文化財 建造物
指定日:平成15年7月1日
所在地:常田2-30-17
年代 :大正8年(1919)

解説


旧常田幼稚園は、上田メソジスト教会(現上田新参町教会)が開設した梅花幼稚園の分園「常田幼稚園」として明治40年(1907)に創設されました。常田幼稚園は、昭和50年(1975)に廃園となり、現在は、カルディア会上田いずみ園舎として使われています。


この建物は、滋賀県近江八幡市の近江兄弟社を拠点にして、全国的に学校や教会、住宅などの設計に手腕を振るい、滋賀県の豊郷小学校で有名になった建築家W.M.ヴォーリズ(1880〜1964)が大正7年(1918)に設計した建築です。設計図面も残っており、そこには「信州上田市ハート氏幼稚園」と当時の園長名が記されています。

外壁にはスタッコ仕上げという、ヴォーリズが好んで用いたモルタルの壁をゴツゴツと仕上げる手法が見られます。

ヴォーリズは、明治38年(1905)に軽井沢を訪れて以来、大正5年(1916)には軽井沢夏期建築事務所を開設して軽井沢周辺での建築活動を盛んに行っており、この建物は、県内に残るヴォーリズの建築作品の中でも初期の作品です。