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前山三頭獅子

種別 :市指定 無形民俗文化財
指定日:平成元・3・8
所在地:前山

解説

延喜式内社として古い前山の塩野神社では、第二次大戦前まで毎年七月中旬の祇園祭で、神が神社から出発して東前山の市神(旅所〉にお出〔いで〕られ、翌日帰られる祭事を行って、その時必ずこの三頭獅子を踊りました。その後は六十年毎に回ってくる甲子〔きのえね〕の大祭や、特別の行事の時だけ出ていましたが、現在は春の祭りで毎年踊っています。


この三頭獅子は竜頭で、鳥の羽をつけ黒染めの麻を背に垂らし、口を開け角のある先獅子と後獅子(共に雄)の二頭が、角のない口を閉じた中獅子(雌)を競って取り合う動きをみせます。天狗も鳥〔からす〕天狗面をつけて、古い形を留めています。笛の楽曲数が大変多く、メロディが整っていることや、音曲がもっともゆるやかで荘重なことなどが特徴です。なお、獅子の踊り場の四隅に一文字笠に裃〔かみしも〕姿で、細い竹鞭〔むち〕を持つ警固が立つことも、獅子を神聖視していた時代をしのばせ、近辺の三頭獅子の中では一番古いものかとも言われています。


この三頭獅子とセットになっている「ささら踊り」は、十歳前後の子ども20人ぐらいが、花笠をかぶり浴衣にたすきがけ、いつけ草履の身仕度で揃〔そろ〕え、獅子を囲んで大きな輪をつくり、両手に持った30cmほどのささらを摺り合わせ、ささら唄に合わせて踊ります。

獅子の道具は、「塩田の館〔やかた〕に常設展示しています。

前山獅子の演舞
前山のささら踊り