上田情報蔵
櫓門工事
●上田城跡本丸東虎口櫓門復元工事 116 着工前
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3 古写真
明治初期に撮影された古写真が唯一現存する。原版の所在は不明であるが、市立博物館にオリジナルに近い鮮明な複写があり、今回の櫓門復元に際しては最も重要な資料のひとつとなった。
写真は、南東方向(現市民会館)より撮影されたもので、虎口北側の隅櫓(現北櫓)は現存しているものの、南側の隅櫓(現南櫓)は既に撤去されており、土塀も倒壊している。櫓門は大棟両端の鯱瓦、大鬼瓦のほか、降棟、隅棟などが失われており、解体が開始されている様子が窺える。撮影年代については、建物の解体が始まっている点から、明治7年(1874)の民間払い下げ以降であることは明らかである。また、明治11年の「上田市街全図」(市立図書館蔵)には櫓門は描かれているものの、両隅櫓は描かれておらず、この時点までに撮影されたものと推測される。撤去された隅櫓跡の草の繁茂が著しい点などから恐らくは明治10年前後の撮影と推定される。
今回の櫓門復元工事に際しては、この古写真と発掘調査結果、現北櫓、石垣等を対比し、画像解析処理を実施することにより櫓門各部の数値を復元した。