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上田情報蔵

館をたずねて
●旧宣教師館

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　上田リサーチパークの一角、いにしえの丘公園の南側に、アーリーアメリカン様式の旧宣教師館が移築・復元されオープンしたのは、昨年の７月のことでした。
　この旧宣教師館は、明治３７年カナダのメソジスト教会の婦人宣教師の住宅として丸堀に建てられ、一部は上田保姆伝習所（現　東洋英和女学院短大保育科の前身）として、幼稚園教諭の養成にも利用されていました。
　昭和１５年、宣教師が帰国した後、小県蚕業学校の初代校長となった三吉米熊氏の子息敬蔵氏が購入、住宅兼医院として利用していました。
　そして平成５年、老朽化により取り壊されるところを、敬蔵氏の子息で建物を所有していた三吉治敬さんのご厚意により市が譲り受け、解体して現在の地に移築・復元しました。
　｢解体のときは、一つひとつに番号を付け、柱も一本ずつ外していました。内部のしっくいの壁が予想以上に厚くて、解体するのにだいぶ時間がかかったようです。当時としては、ずいぶんしっかりした造りだったんでしょうね」と治敬さんは語ります。移築が完了するまでに、１年半近くかかりました。
　「せっかく生き返ったのですから、大事に眺めるだけでなく、大いに活用してほしいですね」と治敬さん。
　旧宣教師館は、新たな土地で、新たな歴史を刻み始めました。
（撮影日：平成０７年０１月０８日）