塩田平の文化と歴史

●口絵 岳(たけ)の幟(のぼり)(市指定無形文化財)


 「岳の幟」は、別所温泉に伝わるめずらしい祭として知られている。
 毎年7月15日早朝、別所の住民たちが男神岳に上り、頂上で今年の豊作を祈ったのち、青竹に飾った幟の行列をつくって、山を降る。集落の入口には、神主はじめ大勢の人人が出迎えていて、行列はここでおはらいを受け、食事や衣替えをする。
 再び行列がつくられ別所の院内(いんない)・大湯・分去(わかされ)各地区を一巡し、別所神社に至って終る。このとき、行列に参加するものは、一戸一反(昔は二反)の布を竹の竿につける。竹の上部には、笹の葉をつけ、布はそこから下へ輪を画いて下るようにし、下部でまとめてもつ。
 何十人もの村人が、紅白青黄、あるいは模様つきの、文字通り”色とりどりの布”のついた幟をかつぎ、緑一色の山麓を、風にはためかせて下ってくるさまは、壮観というか、華麗というか、とにかくみごとというよりほかはない。
 この時の幟の布で着物をつくって着れば、風邪をひかないとの伝説があるので、親類縁者などは、とくに依頼して反物を祭事に使って貰う風習もあるという。
 なお、この「岳の幟」の神事には「三頭獅子」・「ささら踊」がつく。当日はこれが行列に加わり、別所地区の各所で、獅子舞・ささら踊りが行われる。もともとこの二つは、祇園祭の出しものとして行われていたものだが、「岳の幟」と「祇園祭」の期日が接近していたので、昭和9年ごろから一緒にしてしまったのである。

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