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はじめに |
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真田昌幸によって天正11年(1583)に上田城が築かれてから400年が過ぎました。上田築城は現上田市街地の原型となった上田城下町の始まりでもあり、意義深いものがあります。 上田市では、昭和58年に「上田築城400年祭」を挙行しましたが、当館におきましても、記念行事として、特別展「真田史料展」を開催しました。 真田氏は元和8年(1622)上田より松代へ移封となりますが、この特別展は、その時点までの真田氏関係史資料を対象としました。つまり、時代的には、上田築城を中心として戦国時代末から近世初頭にかけてになります。 この大激動の時代を乗り切り、上田小県地方を統一、上田城を築き、城下町を形成し、この地における近世封建制の基礎を固めた真田氏の活躍の歴史は、そのまま当地方の同時代の歴史を象徴するものでもあります。 その年代の真田氏関係遺品のほかに、古文書も多くなりましたが、これにしても、真田昌幸等の文書はもちろん、武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、石田三成、上杉景勝、北条氏直ほか、真田氏をめぐるそうそうたる人物の出した文書を拝借展示することができました。いずれも真田氏、そして当地方の歴史を、生々しく物語る重要文書ばかりです。 総点数200余、広く大阪・山梨等県外からも資料を拝借、真田氏関係の主要資料のほとんどを一堂に集めることができた、と言っても過言ではありません。 この特別展に際して発行しました図録「真田史料展」は第5刷を数えましたが、今回、表題と装丁を改めて、第6刷を刊行いたします。 貴重な資料をこころよく出品していただいた所蔵者各位、記念の玉稿をお寄せいただいた黒坂周平、小池雅夫の両氏、また種々御教示、御協力いただいた多くの皆様に、心よりお礼申し上げます。 |
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昭和62年10月 上田市立博物館 |