昌幸画像として一般に知られているこの絵は模写され広くゆきわたっていたものらしく、松代・上田等にいくつも残っている。
ところで高野山蓮華定院に伝わる同じ絵は、細かい所までかなり丁寧に描かれており、それらの原本かとも思われるものであるが、箱書きによると昌幸ではなく信之の肖像ということになっている。いずれにしてもこの絵の人物はどう見ても80才以上、90才にもなろうかという老人に見える。昌幸の享年は64、信之は93である。蓮華定院には信之の大五輪塔も現存する。
あるいは、この画像は蓮華定院の伝来通り信之のものではあるまいか。再検討の必要があるかと思われる。
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