元亀3年(1572)2月4日 岩村田御家人衆宛武田信玄朱印状
 武藤喜兵衛じょうは後の真田昌幸である。信玄が佐久郡岩村田の御家人衆に命じて、宿中の人々をして同所龍雲寺僧堂上葺萱ふきがやを運上(上納)させようとしたもので、その命を曽祢右近助と昌幸とが奉じて出しているのである。現存する間違いないもので武藤喜兵衛尉と記されているのはこの文書だけである。


佐久市岩村田
龍雲寺蔵

龍雲寺僧堂上葺萱の事、宿中の貴賎寺僧の勧めに随って、運上せしむる様に申し付けらるべく候者也。仍て件の如し。
元龜三年壬申
二月四日 (朱印)(武田信玄)
武藤喜兵衞(昌幸)尉 曽祢右近助 奉之
岩村田御家人衆