年次不詳正月５日　真田昌幸書状

配流地高野山での生活費として、蔵人（真田昌親、昌幸の三男）よりの臨時の扶助金40両の内20両は、原半兵衛から送られ確かに請け取った。 こちらは借金がかさんで、どうにも首が回らない。残り20両も一日も早く送って欲しい、と昌幸が国元へ催促したもの。

真田町 真田町役場蔵 　追て、お蔵金両人の衆に相預け進ずべく候。先ず此の口留め候て何方定めて相届くべく候。先ず残り二十両の金、早々指し上げらるべく候。以上。 極月十九日の書状披見せしめ候。蔵人所【（真田昌親）】より臨時の合力四拾両の内弐拾両、原半【（原半兵衛）】手前より指し上げ候。慥【たしか】に請取り候。爰元【ここもと】借儀あまた候間、如何共当年の仕合成らず候条、残二十両の事一日も早く上げ候様に、請取り候て、池長門【（池田長門守）】者に□□必ず必ず油断有るべからず候。尚々残二十両上げ候とも、爰元借儀多く候間何方へも相届け間敷く候間、池長門談合有り当年の合力、先ず先ず春内に十枚分も上げ候様に肝煎尤に候。調候は、先ず五枚も六枚も其の方持参致すべく候。委細角右衛門・半左衛門申し遣すべく候。恐々謹言。 安房 正月五日 昌幸　（花押）