
長野市松代 真田宝物館蔵
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追って、珍しからず候へども、玻璃の盆一つ、同じくとうさん二つこれを進じ候。書状の験までに候。次に佐衛門佐慮外ながら御言伝申し入れ候。先書に申し上げ候ごとく、爰元永々の御山居、よろづ御不自由、御推量成さるべく候。我等手前などの儀は、なほ以って大草臥者に罷り成り申し候。御察しに過ぐべからず候。以上。
その許の様子、久々承はらず候の間、半左衛門相下し候。御息災に候哉、承はりたく候。此の方別儀なく候。御心安かるべく候。但しこの一両年は、年積り候故、気根草臥れ候。万事この方の儀御察しあるべく候。委細は半左衛門申し達すべく候の間、具にする能はず候。恐々謹言。
三月廿五日
安房
昌幸(花押)
豆州
参
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