松代も城下町の通例にもれず、寺社が大変多い。そのなかに、上田城下または小県郡内にある寺社と同名のものがいくつかある。
開善寺(上田海禅寺、また東部町に開善寺跡あり)、大林寺(上田大輪寺、上田市畑山に大輪寺跡)、願行寺(上田願行寺、東部町本海野に願行寺跡)、長国寺(真田町長谷寺)、白鳥神社(東部町本海野白鳥神社)である。いずれも真田氏にゆかりの深い寺社であり、真田氏松代移封後、旧領地と同名の寺社が建てられたものである。
なお、真田氏上田在城時代に、昌幸・信之の出した朱印状などは、大林寺(上田大輪寺)の場合だけ、松代の寺へ移っているが、他は全て、上田・小県の元の寺社に伝来している。移したというのではなく、松代にも同名の寺社を建てたというべきであろう。
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