上田市のデジタルアーカイブに対する取り組みについて

アーカイブ(archives)とは、英語で古文書、またはその保管庫の意味で、「デジタルアーカイブ」とは、貴重な文化資産を、記録精度が高く、映像再現性に優れたデジタル映像の形で保存・蓄積して、次世代に継承していく活動のことを言います。

全国的に貴重な文化財のデジタルアーカイブが進められる一方で、地域に残る写真や記録映像なども、地域の「時代」を写し取った貴重な「文化資産」であると言えます。これらの中には、劣化による変質や滅失の恐れがあり、蔵の片隅に埋もれ忘れ去られようとしているものも多いと思われます。

上田市では、こうしたこの地域の貴重な文化資産である写真や記録映像や文化財のデジタル化による保存、蓄積と、さらには再生、再利用を進める活動を「地域映像デジタルアーカイブ事業」として平成7年度から進めています。

この事業では、このWEBサイトで紹介するように、既に様々な成果があがっています。

まず、WEB上の博物館、美術館である「デジタルミュージアムネットワーク」として、上田市に関する約3400枚の写真をデータベース化した「上田情報蔵」。上田市立博物館、信濃国分寺資料館、山本鼎記念館の収蔵品などを高精細画像でデジタル化した「デジタルミュージアム」。上田市内の文化財をマップとともに紹介した「上田市文化財マップ」など。

次に、映像作品として、上田地域の産業技術を記録した「農民美術 農の心ここに輝く」「現代に生きる蚕種製造技術」「信州上田紬 伝統の技に歴史の風合いが息づく」の3作品と、民話の語りなどを制作するとともに、過去の上田市の広報番組のデジタル化を行いました。

パッケージ作品としては、大正8年の上田市制施行以来の写真、記録映画を納めたCD-ROM「未来への伝言」。この地域にかつてあって現在は廃線になった鉄道網をテーマに、当時の貴重な写真やビデオを納めたCD-ROM「モハ5250丸窓電車」、長野県を題材にしたニュース映画や記録映画など105作品をDVDビデオ8枚に収録した「信州映画百選」などを制作しました。

これらの作品制作と並行して、広く市民に呼びかけ、提供を受けた映像資料の整理やデジタル化、学校教育や生涯学習に役立つその他のコンテンツの制作なども行っています。 収録された映像資料は、どれも現在までは大切に保管されてきたものです。しかし、時間と共に劣化したり、破損、焼失などの危険からは免れません。また、保管上の必要性などから多くの人が目にすることはできないものも多いのです。

この事業によって、映像資料の保存だけではなく、地域の大切な映像を地域の人が見ることができる環境作りが進むことにも大きな意義があります。上田市マルチメディア情報センターでは、これらの成果を小中学校の地域学習の中で活用したり、公民館を始めとする公共施設に提供することで、学校教育や生涯学習にマルチメディア技術を生かそうと考えています。