収蔵品
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美術工芸
加舎白雄墨書酒中仙
加舎白雄墨書〔かやしらおぼくしょ〕酒中仙(小林家)
種別 市指定 書跡
指定 平成2年2月20日
所在地 上田市立博物館
所有者 個人蔵
一曲の屏風〔びょうぶ〕の右に「酒中仙」と大書し、左に「緑毛亀〔みのがめ〕の蓬〔よもぎ〕にこもるさつき哉〔かな〕」と一句をそえています。古来、緑毛亀(甲に藻が生えて緑色になった亀)は酒が大好物であると伝えられています。白雄自身もたいへんな酒豪であったようで、その心境を「酒中仙」のことばにたくしたものと思われます。本書は、白雄の大幅の書の中でも傑作の部に入ります。紙面にくいいるような力強い筆圧、そして堂々とした運筆です。また白雄独特の行書体は格調が高く、江戸時代中期に活躍した俳諧師〔はいかいし〕加舎白雄の、その人格をうかがい知ることができます。制作年代は、天明期によく用いた「酒載来」(白文円印)の関防印〔かんぼういん〕(右肩に押す印)からみて、天明期頃の書とみてまちがいないでしょう。現在一曲の屏風に仕立てられていますが、本紙の大きさは、縦127.5cm、横53.5cmです。