上田市立博物館での収蔵品撮影

上田市立博物館で公開されている収蔵品の写真は、このウェブサイトのために撮影されたものです。当初はスタジオに収蔵品を運び入れて撮影する案もありましたが、収蔵品の数が多いこと、持ち運ぶ際に破損・紛失する恐れがあることから、博物館の展示室にスタジオを作って撮影することになりました。

スタジオ設営

左の写真が撮影に使われた上田博物館の展示室です。通常はこのようなガラスケースが置かれています。

ガラスケースなどを撤去し、ストロボの光を効率よく回り込ませるため壁を白い布で覆いました。中央に見えるのが三脚、その脇にあるのは脚立です。

使用した機材

このサイトを制作した当時は、デジタルカメラでは十分な画素数が得られなかったため、ブローニーと呼ばれる大きなフィルムを使う銀塩カメラを使用しました。

収蔵品の大きさで4×5(しのご)と6×9(ろくきゅう)サイズのフィルムを使い分けました。手前の一番大きなものが4×5、その奥が6×9、右側が一般的な35mmです。

こちらはストロボ。光の当たり方を柔らかくするために、被写体とのあいだにトレーシングペーパーを介してします。この撮影では4基のストロボが使用されました。

そしてストロボに電源を供給するバッテリーです。

撮影のながれ

カメラで撮影する前に、実際にストロボを発光させて露出を計測します。これは織田信長所用韋胴服の撮影の前の露出計測。この作業は全ての収蔵品において行われました。

カメラにポラのフィルムバックを装着し、最終確認を行います。いわゆるポラロイドカメラの写真と同じで、時間とともに絵が現れます。

これは日本刀の撮影。刀のようにそれ自体が反射するものは、光の当て方で写真の出来が大きく変わります。三脚の下にあるのが日本刀の撮影時に使われたライトボックス。3基の照明がストロボの光を補う役割をします。あとで色調補正するため、カラーチップも一緒に撮影しました。

同じく日本刀の撮影。遠近感をなくすためカメラと被写体との距離をとる必要があるので、ほとんどの撮影でこのような姿勢を強いられます。

カメラマンの頭上にあるのは、やはり撮影のための照明。光が直接当たらないように大きなトレーシングペーパーを介しています。このように被写体によって照明の当て方を変えることが何度もあります。収蔵品1点を撮影するのに1時間以上かかることもありました。

撮影されたポジフィルムはドラムスキャナーで取込まれ、パソコンで扱えるデータ形式になります。その後パソコンで色調補正や縮小などモニタ最適化を行い、アーカイブデータとなります。

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