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蘇民将来符 その信仰と伝承
八日堂蘇民将来符
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八日堂縁日解説

八日堂縁日図

八日堂縁日図の写真

種別:上田市指定民俗文化財
指定:昭和43年4月25日
所在地:国分
所有者:信濃国分寺

 立派な細密画で寺宝の一つ。元和ごろのものと伝えられているが、画面人物の服装等から見て、元禄頃のものではないかとの説もある。縦41cm、横115cmの額付の彩色画で、画かれている人の数は363人、内武士らしき者24人、女が21人、子供3人、乞食1人、頬かむりをした者34人、また煙管(きせる)をくわえた者10人、易者らしき者1人が見える。いろいろの物が売られており、筵機(むしろばた)の梭(ひ)*1柄杓(ひしゃく)*2、箕(み)、ざる、糸撚車(いとよりくるま)、笠、刃物、宝槌(たからづち)、手桶、鍬(くわ)、手槌、きね、地機*3梭(じばたひ)、天秤棒(てんびんぼう)、まないた、ぞうり、小間物、蚕種紙*4絵、塵(ちり)たたき、蘇民将来、命の緒、樒(しきみ)*5干鰤(ひぶり)、山鳥、兎、金物、ほう丁、鎌、釘抜などが見られ、この頃の市日の様子が察しられ、この日がこの界隈(かいわい)の生活上重要な日であったことがわかる。画は人物服装など巧みに描出されているに比し、三重塔、本堂など写実性に欠けている点が見られる。

(『上田の文化財』 上田市教育委員会 昭和59年発行 より引用し、そこに語句の説明を追記しました。)

八日堂縁日図の部分写真八日堂縁日図の部分写真

八日堂縁日図の部分写真八日堂縁日図の部分写真

八日堂縁日図の部分写真八日堂縁日図の部分写真

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補足・関連項目

*1筵機(むしろばた)の梭(ひ)

筵機とはむしろ(藁を編んで作った敷物)を織る機械のこと。「梭」とは横糸を織るときに使う左右に動く道具。
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*2柄杓(ひしゃく)

液体をくむ,柄の長い用具
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*3地機(じばた)

いざり機ともいう機織り具。
参考:上田博物館
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*4蚕種紙

台紙に生みつけられた蚕の卵のこと。
参考:上田博物館
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*5樒(しきみ・しきび)

常緑樹の一種。仏前に供える。実は有毒だが葉・樹皮は線香の材料。
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