八日堂縁日図 種別:上田市指定民俗文化財 立派な細密画で寺宝の一つ。元和ごろのものと伝えられているが、画面人物の服装等から見て、元禄頃のものではないかとの説もある。縦41cm、横115cmの額付の彩色画で、画かれている人の数は363人、内武士らしき者24人、女が21人、子供3人、乞食1人、頬かむりをした者34人、また煙管(きせる)をくわえた者10人、易者らしき者1人が見える。いろいろの物が売られており、筵機(むしろばた)の梭(ひ)*1、柄杓(ひしゃく)*2、箕(み)、ざる、糸撚車(いとよりくるま)、笠、刃物、宝槌(たからづち)、手桶、鍬(くわ)、手槌、きね、地機*3梭(じばたひ)、天秤棒(てんびんぼう)、まないた、ぞうり、小間物、蚕種紙*4、絵、塵(ちり)たたき、蘇民将来、命の緒、樒(しきみ)*5、干鰤(ひぶり)、山鳥、兎、金物、ほう丁、鎌、釘抜などが見られ、この頃の市日の様子が察しられ、この日がこの界隈(かいわい)の生活上重要な日であったことがわかる。画は人物服装など巧みに描出されているに比し、三重塔、本堂など写実性に欠けている点が見られる。 (『上田の文化財』 上田市教育委員会 昭和59年発行 より引用し、そこに語句の説明を追記しました。) |
*1筵機(むしろばた)の梭(ひ)筵機とはむしろ(藁を編んで作った敷物)を織る機械のこと。「梭」とは横糸を織るときに使う左右に動く道具。 *2柄杓(ひしゃく)*3地機(じばた)いざり機ともいう機織り具。 *4蚕種紙台紙に生みつけられた蚕の卵のこと。 *5樒(しきみ・しきび) |
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