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立川文庫の作り人物で真田十勇士の花形役者である。手で印を結ぶと姿が消え、相手から見えないのでどんな豪傑でもテンテコ舞いさせることができた。
立川文庫の『真田幸村』では、忍術の名人として登場し、大活躍している。霧隠才蔵とともに登場し、徳川方の軍評定の内容を探ったり、地雷火を仕掛けて、敵方を混乱に陥れたりする。
信濃の鳥居峠の麓に住む鷲尾佐太夫という郷士の息子である。山中で猿の群れと遊び戯れているところを戸沢白雲斎という白髪の甲賀流忍術の名人に見込まれ、忍術の修行をしたあげく極意を授けられる。鳥居峠にやってきた幸村に見出され、その家来となる。
東西の風雲急を告げるに及び、幸村の命令で天下の情勢を窺うため、清海入道と連れだって諸国漫遊の旅に出る。東海道を東下し、家康のいる駿府城、または秀忠のいる江戸城に忍び込み、徳川方の内情を探る。京都では、南禅寺の山門に住む石川五右衛門と術比べをする。
女・子どもなどの弱きを助け、山賊などの強きを挫き、懲らしめる。大坂夏の陣の後、幸村とともに薩摩に落ちる。
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