ホーム > 起請文・古文書 > 室賀治部少輔経秀

室賀経秀等連署起請文

提出者名
室賀治部少輔経秀  同 常陸守正吉  同 甚七郎吉久  堀田豊後守之吉
宛名
山県三郎兵衛殿 人々御中

室賀むろが氏は信州小県郡室賀(上田市)を本領とする。経秀は信俊「起請文九」の弟である。正吉は経秀の弟で、小島(上田市)を領有。吉久は正吉の弟で、舞田まいた(上田 市)を領有、舞田法樹院中興の奉行。堀田之吉は系図によると「親族旗下に堀田豊後守之吉あり」と記されている。なお、経秀は、弘治三年の川中島の戦いの戦功で、信玄より感状をもらっている。

Flash版起請文プレーヤー
起請文プレーヤーご利用の方へ

起請文

漢字

敬白 起請文之事

一此以前奉捧数通之誓言、弥不可致相違之事

一奉対 信玄様、逆心謀叛等不可相企之事

一為始長尾輝虎、自御敵方以如何様之所
得申旨候共、不可致同意之事

一甲・信・西上野三ヶ国諸卒、雖企逆心、於某ニ
者無二に奉守 信玄様御前、可抽忠節
之事

一今度別而催人数、無表裏、不渉二途、
可抽戦功之旨可存定事

山城守室賀信俊所へ自敵地、計儀之使書中
罷越候を□□かくし被申候ハ、直様可申上候、御一戦之砌、山城守ニ
未練之意見申間敷候、況自分ニ未練○血痕アリ致間敷侯事々々

於此旨偽者、
梵天・帝・四大天王、下堅牢地神・熊野三所
権現、王城守護八大菩薩・賀茂・春日・稲荷・祇
薗・二所・三嶋・富士浅間大菩薩・別而ハ甲州一二
三大明神・御嶽権現、当国諏方上下大明神
蒙御罰、於今生ハ白黒病ヲ請、於後生ニ者、
永無間堕在可申者也、仍起請文如件、

永禄十年丁卯
    八月七日

室賀治部少輔
     経秀 (花押)(血判有)
同  常陸守
     正吉 (花押)(血判有)
同  甚七郎
     吉久 (花押)(血判有)
堀田豊後守
     之吉 (花押)(血判有)

山県三郎兵衛殿人々御中

現代語訳

謹んで起請文を申し上げます。

一これ以前に捧げ奉った数通の誓詞(起請文)について、これからも、ますます相背くようなことは致しません。

一武田信玄様に対し奉り、逆心をもち、また謀反などを企てることは致しません。

一長尾輝虎(上杉謙信)をはじめ敵方より、どんな利益をもって誘われても、敵方には、同意致しません。一甲州・信州・西上州三か国の諸卒が逆心を企てても、私は一心に武田信玄様をお守り申し上げて、忠節を尽くします。

一この度は、特に人数を動員して、表裏なく、余計なことは考えずに戦功に励む決心です。

室賀信俊山城守の所へてきから、はかりごとの使書ししょとどき、室賀信俊がこのことをかくせばぐにお知らせ致します。戦争の折り、信俊に未練みれんがましく意見は致しません。ましてや自分の敵になって戦うことになっても心残りはありません。

この旨に偽るようなことがあれば、梵天・帝釈・四大天王、下は堅牢地神・熊野三所権現、王城守護八幡大菩薩・賀茂・春日・稲荷・祇園・二所・三嶋・富士浅間大菩薩、別しては、甲州一二三大明神・御嶽おんたげ権現当国諏訪上下大明神の天罰を蒙って、現世においては難病にとりつかれ、来世においては永く無間地獄におちることになります。起請文以上。

永禄十年丁卯八月七日

室賀治部少輔(しょう)
   経秀(花押)(血判有)
同 常陸守
   正吉(花押)(血判有)
同 甚七郎
   吉久(花押)(血判有)
堀田豊後守
   之吉(花押)(血判有)

山県三郎兵衛殿 人々御中

前のページへもどるページの上へ次のページへすすむ

起請文一覧表

起請文一覧
番号 起請文提出者
01 武藤神右衛門尉常昭起請文プレーヤー
02 長坂源五郎昌国起請文プレーヤー
03 三枝宗四郎昌貞起請文プレーヤー
04 小山田兵衛尉信茂
05 安中左近大夫景繁
06 仁科盛政起請文プレーヤー
07 今福市左衛門尉昌和
08 浅利右馬助信種
09 室賀山城守信俊
10 小泉喜泉斎重永・小泉内匠助宗貞
11 望月遠江守信雅
12 板垣左京亮信安
13 六郎次郎信豊
14 小笠原下総守信貴
15 吉田左近助信生
16 刑部少輔信廉
17 海野三河守幸貞
18 小幡三河守信尚
19 横田拾郎兵衛丞康景
20 小幡右衛門尉信実
21 小幡左衛門大夫兼行
22 浦野左衛門尉幸次
23 跡部雅楽助昌長
24 原甚四郎昌胤
25 両角助五郎昌守
26 大嶋五郎左衛門尉長利
27 後閑伊勢守信純起請文プレーヤー
28 一宮兵部助氏忠
29 座光寺三郎左衛門尉貞房
30 野村主水佑勝英
31 大井式部大輔信舜
32 大井右京亮信通
33 大井源八郎昌業
34 高田大和守繁頼
35 松鷂軒常安
36 高山山城守行重
37 麻績勘解由左衛門清長
38 和田兵衛大夫業繁
39 高山彦兵衛尉定重
40 片切源七郎昌為
41 梅隠斎等長
42 大熊新左衛門尉長秀
43 依田又左衛門尉信盛
44 大井小兵衛満安
45 小林与右兵衛幡繁
46 上穂善次為光
47 飯嶋大和守為方
48 海野伊勢守幸忠
同 平八郎信盛
49 室賀治部少輔経秀起請文プレーヤー
同 常陸守正吉
同 甚七郎吉久
堀田豊後守之吉
50 熊井土対馬守重満
弾正左衛門尉信高
佐馬助高政
自徳斎道佐
能登守行実
51 松本丹後守吉久
同 縫殿助定吉
友松将監行実
52 高山八郎三郎泰重
馬庭中務少輔家重
酒井中務少輔高重
53 依田兵部助隆総
桃井蔵人佐頼光
塚越新助重定
54 甘利郷左衛門尉信康
城和泉守景茂
今井九兵衛昌茂
玉虫助大夫定茂
六嶋六右衛門尉守勝
55 猿渡宇左衛門尉満繁起請文プレーヤー
和田佐渡守業政
富所彦次郎業久
56 簗賀縫殿助吉久
荻原民部定久
同 図書助長久
同 玄蕃允重吉
野口佐渡守成吉
戸塚大蔵重吉
57 小林五郎左衛門尉盛重
大井甘助高幸
小林図書守業吉
上田七郎兵衛常善
小林新助秀永
小海宮
58 馬場小太郎信盈
青木右兵衛尉信秀
山寺源三昌吉
宮脇清三種友
横手監物満俊
青木兵部少輔重
59 依田長門守頼房
楽厳寺雅方
依田
篠沢新九郎雅
布下仁兵衛雅朝
諸沢堪介信隆
60 羽中田民部右衛門虎具
鮎沢八郎右衛門尉虎守
鮎川清三郎昌尚
61 安中五郎兵衛家繁
同名刑部助繁勝
62 松本総右衛門尉重友
同 膳右衛門尉行定
須藤縫助殿久守
63 市川兵庫助景吉起請文プレーヤー
小沢源十郎行重
市川四郎衛門重久
同 四郎兵衛貞吉
縣河彦八郎直重
高橋左
64 小河原右馬助重清起請文プレーヤー
神保小次郎昌光
65 黒沢駿河守重慶起請文プレーヤー
同 出羽守定吉
同 掃部助光吉
同 兵衛尉重家
土屋上総守重綱
66 桑原式部少輔康盛起請文プレーヤー
塔原藤左衛門宗
城内二助貞維
山崎善七郎
同名藤五郎貞吉
67 山口大炊助高清起請文プレーヤー
新五郎高貞
高瀬与兵衛能業
上条権助高業
武河左近助実吉
同 又右衛門尉高
68 諏方右近助豊保
諏方左衛門尉頼運
大輪監物勝親
高出左兵衛昌海
知久次郎左衛門遠包
飯嶋出
69 麻績市尉光貞起請文プレーヤー
関岡宮内右衛門光助
関又助光吉
70 岩下駿河守幸実起請文プレーヤー
同名新十郎長高
同名源介幸広
塔原織部幸知
大口右馬介 辰
小 助忠助
71 小笠原新八郎長記
同名 孫十郎長和
同名 甚十郎長穂
下枝田右衛門尉久綱
常葉平左衛門尉定満
72 海野左馬亮幸光
常田七左衛門尉綱富
尾山右衛門尉守重
桜井駿河守棟昌
小艸野若狭守隆吉
73 浦野宗波軒信慶起請文プレーヤー
同弥三左衛門尉政吉
同新左衛門尉貞次
同右衛門幸守
同久右衛門尉吉忠
浦野
74 半右衛門尉
平介
惣二郎
四郎右衛もん
弥六郎
藤右衛門尉
忠介
藤三
75 堀金平大夫盛広
古厩平三盛隆
渋田見源介政長
沢渡兵部助盛則
日岐盛次
穂高左京亮盛棟
76 小幡彦太郎具隆
77 伴野左衛門佐信是
78 麻績勘解由左衛門清長起請文プレーヤー
79 大日向上総介直武
80 赤須二郎三郎頼泰
81 伴野三衛門尉
飯嶋与兵衛尉為政
片切二兵衛尉為房
82 野沢四郎兵衛康光
伴野善七郎君家
同名東青軒如心
下村新右衛門尉重守
同名与左衛門尉満幸
83 牛田善右衛門尉真綱
奥秋加賀守房吉
小林和泉守房実
河村治部左衛門尉房秀
その他の古文書一覧
84 武田信玄安堵状起請文プレーヤー
85 丸子良存寄進状起請文プレーヤー
86 武田信玄願文起請文プレーヤー
87 壱岐・三かわ連署願文起請文プレーヤー
88 真田昌幸朱印状起請文プレーヤー
89 平盛幸願文起請文プレーヤー
90 工藤美作守等連署定書案起請文プレーヤー
91 小幡信繁願文起請文プレーヤー
92 真田信幸寄進状起請文プレーヤー
93 真田信幸朱印状起請文プレーヤー
94 下之郷供僧社人目安案起請文プレーヤー

プラグインについて

Flash版起請文プレーヤーをご利用になるために

起請文プレーヤーをご覧になるためには最新のadobe Flash Playerが必要です。最新のFlash Playerは、こちらからダウンロードしていただくことが可能です。

参考資料:信濃史料、信玄武将の起請文、上田市誌「歴史編・文化財編」から引用しています。