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人工癌実験の成功(1/6) 〜研究と実績〜

山極先生の研究のなかで最も重要なのは癌に関係するものである。

病理学教室では教室の業務として、大学病院と東京市立養育院からの死体を解剖することになっており、その数は非常に多かった。明治22年から35年までの間に3014体を解剖し、237例が癌腫、そのうち107例が胃癌だった。これを検査して山極先生は、多くの胃癌は、治りにくい単純胃潰瘍の縁が暴飲暴食による慢性反復性の刺激を受け、癌になったと結論した。この成績をまとめて、38年5月に『胃癌発生論』を出版した。これは胃癌に関するわが国最初の専門書である。

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『胃癌発生論』完
明治38年(1905)5月刊行。
多くの解剖例を検討して、日本人の胃癌の病理学的実態と発生を検証し、さらに原因論についても考察している。
癌の発生し易い環境が外的刺激により作られることが先見性を持って述べられている。
この研究以降、勝三郎は癌の研究に没頭した。 〔東京大学医学図書館所蔵〕
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『胃癌発生論』原稿材料ノート
明治38年に出版された『胃癌発生論』のための原稿ノート。

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