上田市街全図
明治11年 (1878)
明治11年の上田市街図で、方向も明記されている。町の通りは藩政時代のまま侍町、町人町が異なった着色で描かれている。明治4年、上田城跡は兵部省所管となり、二の丸に東京鎮台第二分営が置かれたが同6年廃止となる。その後大蔵省に移管され、本丸・二の丸の土地・建物は払い下げられ、7基あった櫓は1基を残して取り除かれた。城の周囲の堀は、明治5年から大手前から埋め立てが始まるが、工事が進まず地図に見るように湿地帯や堀のまま残っている。
明治4年の廃藩置県で上田藩は上田県につづいて長野県所管となり、小県郡上田町となった。新制度の国・県・郡・町の公官庁や学校が設置された。同4年、上田郵便取扱所が海野町に設置、同6年新参町の旧藩校は松平学校として新小学校が発足、同9年原町に警察署、同10年藩主屋敷に裁判所が置かれた。同年大手町の旧産物会所跡地に国立十九銀行が設立、同11年海野町に小県郡役所、原町に上田戸長役場を設置し行政が動き出した。同年大手町に洋館3階建ての上田街学校を設立、女子教育が始まった。なお、ここは天皇巡幸時の行在所が置かれた。またその南側には女工場(絹織物場)が開業した。
上田市立上田図書館蔵
解説:佐々木清司氏
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