長野県北信交通明細図
昭和6年(1931)
大正時代から昭和初期にかけ、鉄道の敷設、私鉄電車の開通が相次ぎ、さらに乗合自動車の普及で人の移動や物流が活発化し、市街地の商家、温泉地やスキー場等が活況を呈した。こうした時代背景に交通に関心が高まり、地図にも反映した。地図の製図は上田市の馬場一、発行人は馬場亀松である。
地図のメインは北信(東北信地域)の交通明細図であり、官有鉄道(後の国鉄)では信越線・篠ノ井線が、私鉄では上田の上田温泉電軌・丸子鉄道・小諸の佐久鉄道・布引鉄道・軽井沢の草津軽便鉄道・長野の河東鉄道が営業していることが見える。また主要な道路も記入されている。
北信交通明細図の周囲には上田・丸子・小諸・別所温泉の市街図や明細図と菅平スキー場案内図が部分図として拡大版で編集されている。地図は山地表現にケバ、市街地や道路には赤色を、土地利用の記号化もあり、昭和初期の姿を検討する地図としてよい。
上田市街図は城下村併合により市域が拡大、市街地が東方に延長して、日の出町が、私鉄上田温泉電軌北東線北上田駅周辺の新田、千曲川を渡った松本街道沿に三好町が形成された。丸子町明細図では製糸工場が図示されている。
菅平スキー場案内図では、菅平の広大なスロープがスキー場として注目されたのは大正末期であった。スキー場としての本格的な始動は昭和初期からで昭和4年にはオーストリアからシュナイダーを招き、菅平とスキー場の名を全国に広めた。
別所温泉明細図では大正時代の蚕糸業の発展と上田温泉電軌(株)の川西線敷設で別所温泉は浴客でにぎわった。また、近くには常楽寺や安楽寺等名刹もあり観光地としても多くの観光客を集めた。
上田市立上田図書館蔵
解説:佐々木清司氏
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