蘇民将来と八日堂縁日
信濃国分寺(上田市国分)は、国分寺建立の詔勅*1(天平13年)により毎月8日、鎮護国家*2の金光明最勝王経*3の転読*4が行われることから八日堂と呼ばれるようになり、年の初めの1月8日の縁日には多くの参詣者でにぎわう。この八日堂縁日に頒布*5される蘇民将来符は、参詣者たちに求められ、除災招福を願って家に飾られる習わしがある。 信濃国分寺が護符*6として授ける蘇民将来符には、大福・長者・蘇民・将来・子孫・人也と二字ずつ書きわけられており、地元の限られた檀信徒が製作、頒布するそれには、大黒、恵比寿などの絵や「寿」「蚕大當」などの文字が書かれ、縁起物としての性格が付与されている。ともに形状は六角錐形でドロヤナギの木で作られている。 |
*1詔勅(しょうちょく)*2鎮護国家(ちんごこっか)仏教により国を守り安泰にすること。法華経・仁王般若経・金光明最勝王経などの護国経典を読誦(どくじゆ)し、種々の修法を行うことで国家の災いを鎮め安全を守ろうとすること。 *3金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)10巻から成る、四天王をはじめとする諸天善神による国家鎮護の教説を含んだ経典。 *4転読(てんどく)法会において、経の題名と初・中・終の数行を読み、経巻を繰って全体を読んだことにする読み方。大部の経典、ことに大般若経で行われる。略読。転経。 *5頒布(はんぷ)*6護符(ごふ)関連する映像 |
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