蘇民講と七福神の絵入りの護符
蘇民講は、蘇民将来符づくりにかかわる村人の組織であり、江戸時代以前より信濃国分寺の門前に家々を構えていた人々の講である。この蘇民講の家々では、その家独特の七福神(大黒天、恵比寿〔えびす〕、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋〔ほてい〕の福徳の七神)を描いた蘇民将来符を作成している。 蘇民講の人々は、作成した蘇民将来符を箱に入れて7日に国分寺に持ち寄り、数などを点検し、その後本尊薬師如来の前にそなえて護摩*1の祈祷*2を受ける。翌8日の朝には、本堂前の石畳の両側に並んで、七福神の絵入りの護符を一般に頒布している。近年は、遠く東京、関西方面などからもこの絵入りの蘇民将来符をもとめて訪れる参詣者の姿がみられる。 なお、上田市国分の山越隆夫氏宅には、七福神の絵入りの蘇民将来符を描く際に手本とした、大正5年製作の「蘇民画帳」が残されている。
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*1護摩(ごま)密教で、不動明王・愛染明王などを本尊とし、その前に作った護摩壇で護摩木を焚いて仏に祈る行法。木は人の悩みや災難を、火は智慧や真理を表す。息災・増益・降伏(ごうぶく)などを祈願する。 *2祈祷(きとう)関連する映像 |
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