上田城構之図
寛永年間 (1624-1645)
原図は但馬出石(元和8年~宝永3年上田城主仙石氏の転封先)の樋口氏所蔵という。明治6年6月に芦田新所蔵の本図(原図か不明)を鷲見保誠が模写、さらに明治32年8月に飯島茂経(本名保作・雅号花月)が模写したものである。飯島の付記によれば、原図外帙の表面に「寛永年間・仙石候時代 上田城図」とあったという。
上田城は慶長5年(1600)の第2次上田合戦後、徳川氏の命により破却された。これを再興したのは、新たに城主となった仙石忠政で、その時期は寛永年間である。この図が寛永年間に作成されたものであれば、仙石氏によって築かれた城構ということになる。
城郭部分は、正保4年の上田城絵図に類似している。城下町の道路で、朱に彩色された部分は侍町にあたる。「下ときた町」・「新ほうやま丁」などの町名が記入されている。
正保4年上田城絵図と異なるところは、城郭二ノ曲輪の北にある「土屋敷」の道路で、正保4年絵図は鎌原町から一本道になっている。
上田市立図書館蔵
解説:尾崎行也先生
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