原町・柳町・田町屋敷割図

　原図は「町役所」すなわち原町問屋瀧澤助右衛門家で調えたものである。これも旧上田市史編纂時に模写された。

　制作経過は、海野町・横町屋敷割図の場合と同じであるが、こちらが完成図である。

　江戸時代の絵図は、絵図をその四方から眺めるため、記入される文字の向きが一定していない。この図の場合、全体としてみれば南が上に描かれている。

　屋敷ごとに所持者の名前と屋号が記入されている。屋号ではなく苗字が記載されている場合もみられるが、これは藩から苗字の使用を許可されたものに限る。名前の下に「持」と記されているのは、その屋敷地の所持者ということで、実際に住んでいる人は別である。

　田町の場合は名前だけの人が多い。これは職人や店商売をしていないなど、屋号を持っていなかったためである。

　原町は寺院が少ないこともあって門前長屋はみられない。田町に町人長屋がみられる。